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2006.03.24

010:線路 2005鑑賞

穴井苑子
終点の街に暮らして動きだす電車に乗って線路はつづく
 

星川郁乃
すこしだけ空白のあるすこやかさ線路かたかたと鳴る 東から


ピッピ
踏切のおりた線路で私にはみえないものが走って消えた


丸井真希
少しだけ不安になった雪道の足跡線路と呼んで歩いた


茶琥チヤ子
つながらぬふたつ線路の終端はアウシュビッツを何も語らず


里坂季夜
耳をあて何かを待った少年の微熱はさめて線路は朽ちて


岩崎一恵
冬の陽をしずかに反射し続ける線路 過ぎゆくものは追わない


海神いさな。
はりつめたピアノ線路地裏あたり切れて痛くて君がいなくて
 (下の句の「き」と「い」の音の繰り返しが鋭くてきれいで好きです。
  「ピアノ線」ともきれいに呼応しているのが鋭く細く。)

 
佐原みつる
あなたとの約束はそう三月の線路の交差している場所で



さみしさを思い出すかも知れずこの線路に沿って下ってゆけば
 (思い出しても、いいという覚悟。
  下っていくということにさみしさを思い出すのでしょうか、
  それとも辿り着く先にさみしさを思い出すのでしょうか)

なかはられいこ
終電のあとの線路をあるいたね空にも海にも属さない青
 (最後の青に吸い込まれてしまいそうになります)

村上きわみ
七月の線路を踏んでゆくためにすんと結んだサンダルの紐
 (すんと。)

内田誠
この星をひとつの円として繋ぐ線路の向こうの始めと終わり


高松凛
例えれば線路のレールの端々に手をつなぎつつ歩けるような


千坂麻緒
線路だけ残っています今はもうないことばかり語ってしまう


遠山那由
午後三時轢かれてみたいと思っても漁港の線路に電車は来ない


吉田ともき
東へと線路は続くここからは一人で強く生きてゆくから


ひな菊
始発まで線路を歩くざくざくと昨夜の涙すべて消し去り


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